FC2ブログ
アルキメデスの大戦-1

100年に一人と謳われた数学の天才が巨大戦艦建造を阻む、映画「アルキメデスの大戦」を観てきました。

戦争モノとはいえ、戦闘シーンは10分くらい。
机上のバトルとどんでん返しの連続でハラハラし通しでした。

戦争&軍部が背景ですと、いろんな役職者が登場して登場人物の関係が複雑になりがちですが、
この映画はキャストがしぼられているため、人物に感情移入しやすいです。
またなにより菅田将暉さんが美しかった・・・。

戦争の悲惨さ、むなしさ、天才同士の戦いと理解、日本人の本質、衝突と敬愛。
いろんな感情が押し寄せて、見終わったあとはしばらく立てなくなりました。


ネタバレになりますので、感想は折りたたみに続きます。
1回しか見ていないので、台詞などの細かい部分は正確でないと思います。
ご了承ください。

映画「アルキメデスの大戦」公式HP → 映画「アルキメデスの大戦」




拍手、クリックありがとうございます!
  にほんブログ村 漫画ブログ コミックエッセイへ


●戦艦大和の最期

この物語は絶望から始まります。

昭和20年4月7日、戦艦大和が沖縄特攻に向かう途中の坊ノ岬沖にて、
アメリカ軍の空爆を受けるシーンから始まります。

これはVFXで作成されているんですが、いやもう、すごいです。
映画館のスクリーンで見るとなおさら臨場感にあふれます。
なので、とてもむなしくて悲しくなります。
そして、一発で、日本の当時の状況と考え方がわかりすぎるくらいわかります。
映像ってすごい効果的ですね。

当時、大和は世界一の軍艦でした。
その大和にむらがるアメリカ軍の戦闘機。
つまり、時代はもう、航空機による空爆のステージに入っているのです。
対する大和の攻撃は、甲板からの機銃掃射。
機銃総数は150挺。
…なのですが、もう全然当たらないです。
当たらないですよね。飛んでる飛行機に。レーダーがあるわけでもないし。
運が良ければ、当たります。運です。

高射砲には、4名の戦闘員がついていて、2名が操縦士、2名が砲弾のセットをします。
で、彼らの頭上は、むき出しなんです。戦闘機からの攻撃を守るものが何もない。
死ぬでしょ、フツーに考えて・・・・。

つまり、上空からの空爆というものを考えて大和は作られてない。
大和が想定していたのは、日露戦争での日本海海戦のような、対戦艦攻撃です。
相手の軍艦に砲撃して沈めることが目的です。

大和の主砲は46センチ砲と言われる、世界一の大きさでした。
発射する際は、甲板にいると発射の衝撃だけで死ぬので、乗組員が退避するほどです。
距離は東京から横浜あたりまで飛ぶと言われていました。
これで、遠くにいる敵艦を爆破しようという作戦なのです。

でも、頭上の航空機に対して主砲を打ったってどうしようもない。
世界一であっても、使えなきゃ意味がない。

戦艦の幻想から抜け出せない日本に対して、アメリカの技術力は圧倒的です。
当たる確率が低いとはいえ、大和に近づくほど撃たれますから、少し距離を置いたところに魚雷を放つんですね。
魚雷を落として、大和に近づく前に去ってゆく。
魚雷は海中を走って大和の腹面に当たります。
魚雷ってすごい兵器だなーと思いました。

高射砲がたまーに当たって、墜落する戦闘機からアメリカ軍の兵隊さんが落ちてくるシーンがあります。
一機撃墜したので、大和の兵隊さんたちは喜ぶんですが、
その横から、飛行艇が降りてきて、海に漂うアメリカ兵を救助して去ってゆく。

これはキツイですよね。
自国の兵隊をすぐ救助するアメリカ軍の余裕、兵力差、人権意識を見せつけられます。

見方の航空機の援護射撃なんかありません。
航空機の一斉攻撃と何発もの魚雷攻撃を受けて、大和は爆破、沈没します。
死者3000人強。

もう、この10分のVFXで、いかにして日本は太平洋戦争を戦ったのか、よくわかります。
無謀、無策。
楽観的を超えた思考停止。
論理より感情、実利よりロマン。
ヒロイズムの酔っぱらい。

大和建造阻止の物語でありながら、冒頭に大和の最期、結果を見せる。
すごい演出だなあと思いました。

大和は日本人の「夢」の象徴です。
「軍の」夢ではなく、「日本人の」夢です。
夢におぼれた結果がどうなったか、
このVFXはもちろん現実の映像ではありませんが、よく覚えておかなきゃいけないと思いました。


●時代背景

時は昭和8年にさかのぼります。
日本は国際連盟から脱退、国際的に孤立してゆく時期です。

海軍では、「新型戦艦建造計画会議」にて、
老朽化した既存の戦艦に代わる、新しい戦艦の建造を決めることになりました。
この会議にて、今後の戦争は航空機が主流になるとみている一派は航空母艦を、
戦艦こそ日本海軍勝利の象徴と信じている一派は巨大戦艦の建造を主張します。

空母に比べ、巨大戦艦建造にはたくさんの費用がかかるはず。
ですが、巨大戦艦派は空母より低い見積もりを出してきました。
さらに、巨大戦艦のミニチュアも持参。

美しいミニチュアに心奪われ、キャッキャとはしゃぐ大角海軍大臣&嶋田海軍少将・・・。
キッズか。

会議が紛糾し、決定は2週間後に先送りになりました。

巨大戦艦が空母より低い見積もりになるわけがない。
しかし、たった二週間で、何の資料もない状態から再見積もりすることもできない。
なんとしても戦艦建造を阻止したい永野海軍中将、山本海軍少将は、見積もりの偽装をあばくために、
偶然料亭に居合わせた数学の天才・櫂直(かい・ただし)に協力を依頼する…という出だしです。


●櫂くん

菅田将暉さん演じる数学者櫂くんがとってもキュート。
帝国大学に通っていたものの、家庭教師先のお嬢さんをたぶらかしたことを理由に、退学させられています。
お嬢さんの顔のパーツをメジャーで測っていただけなんですけどね…
(のちのち、この家庭教師先である尾崎家のお得様である海軍将校、嶋田さんへの
辛辣な言動も理由であることがわかるのですが)

とにかく何でも測る。測らないではいられない。測って美しさを実感する。
芸者さんの胸囲も、扇投げの角度も、机も船も、全部測る。
逆に「他の人がなぜ測らないのかがわからない」。

山本さんたちは、巨大戦艦などを建造したら、国家予算は圧迫され、
建造を真のチカラだと過信した日本はやがて戦争を引き起こす。
戦争を止めるために、嶋田一派が出してきた見積もりを精査してほしいとお願いします。
この櫂くん、山本さんたちと会ったときは、窮屈な日本に嫌気がさしてアメリカに留学するつもりでした。
なので、協力の依頼を断ります。
日本が勝とうが負けようが、知ったことではない。

が、アメリカ行きの船に乗り込む前に協力を申し出るんですね。

なぜかというと、船を見送る人々や、見送りにきた尾崎家の令嬢鏡子さんの背後に戦火が見えたからです。

もちろん、これは櫂くんの幻なのですが、
これが、櫂くんが先を見通せるチカラを持っていることを示していると思います。

昭和8年は満州事変は起こっているものの、日中戦争はまだ開戦前です。
日清・日露戦争、第一次世界大戦の戦場は国外であり、
当時、日本本土が戦場となることをどれくらいの日本人が想像していたでしょう。
それを予見した櫂くんは、単なる天才ではない。
それを示すためのこのシーンだったんじゃないかと。


●田中くん

協力をすることにした櫂くんに対して、山本さんは少佐の階級を与えます。
軍隊は階級組織であるため、位が低い者の意見など、
いくら正論であっても一蹴されることは目に見えているためです。
付き人として、山本さんの配下である田中少尉が任命されました。

柄元佑さん演じる、この田中くんもとってもキュートなんです。

突然現れた、何でも計測する変人の付き人の任務に納得がいかない。
しかも、軍規スレスレの行為をお願いされて危ない橋を渡ったり、振り回されたり。

でも、櫂くんの変人ぶりの奥にある天才的能力と誠意、並外れた根性に、
次第に傾倒してゆくんですね…。
とっても良いバディになってゆく様子はもう見ていてほほえましいです(笑)

ここまで書いて、すでにメチャクチャ長いので、続き感想は(2)に続きます。

まだまだ書きます。評論家じゃないんで、書きたいこと全部書きます(笑)




関連記事
映画を観てきた | コメント(0) | トラックバック(0)
コメント

管理者のみに表示